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小川敦志 インタビュー
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おがわ あつし=黒岩省吾役
1969年4月2日生
Atsushi Ogawa

[萩野 崇] [萩野 崇+相澤一成] [小川敦志] [松井友香] [林 美恵]


── 髪を切られたんですね!?
 
小川 ええ、最後のシーンの撮影が終わって、沼につかったから寒くて、ばーっと風呂入って、その後、その足で切りに行きました。
 
── 「これで終わりだー、やれやれ」って感じ?
 
小川 いえ、というよりは、まあ仕事なんですけど、その宣材っていうか…
 
── 黒岩省吾という役を、演じてみていかがでしたか?
 
小川 え? そう来るんですか? それはちょっとすぐには…。うーん、難しいな。
 
── では、彼のような男はどう思いますか?
 
小川 嫌いです。こうはなりたくない。出世欲や出世術は学ぶところもあるけれど、性格は嫌いです。最も嫌いな人間を作ろうとしていた。もっとブーイングの手紙が来るかと思ってたけど、来なかった。まあ、あまりいないタイプの人間ですよね。
 
── エリに対する思いはどうでしょう? 第29話『速水はヤミに!』のラスト(エリの「もう恋はしない」発言)以降、エリには目もくれないって感じに見えましたが…
 
エリ役・東風平千香さんが乱入
東風平 そうですよね。悲しくなっちゃうくらい冷たかった。
 
小川 それは…、エリに言われた時、すぐには理解できないけれど、別れは本能的に感じてた。人間として恋愛をしてたわけですが、あの後は、もうエリがどうのというのでなく、感情的なものを押し隠して生きていかなくてはならない。僕は自虐的、自嘲的な性格の人なので、今まで別れがあると、ものすごい思いがあっても押さえよう押さえようとしてクールになる。感情を押し殺す。エリは見ない。見ると情がうつる。わざと見ないではなく、ただ見ない。僕は目の動きが演技だと思ってますから、それは意識しました。すみません、僕の話って長いですね(笑)。
 
── いえいえ、ではエリちゃんの方はどうでしょう?
 
東風平 エリの別れの言葉に対してはどうしてあんなことを言うんだろう…言いたくなかったというのはあります。ただ、ガウザーがザンダーと一緒に炎につつまれて、無事に出てきて…「ああ、黒岩が死ななくてよかった…」という思いと、彼を好きになったことで、速水が危ないめにあった、同じように人類をあやうくしてしまうかもしれない、そういう思いから別れを告げたんだと思います。
 
── お二人で演技について相談したりはしましたか?
 
東風平 いえ、あまり…。あまり演技については人に話さないんです。こうだろうなあ…という感じで。
 
── 小川さんに関して問い合わせが多いので、少しプライベートなこともお聞きしたいのですが…。好きな俳優、目指している方とかは?
 
小川 ロバート=デ=ニーロ。好きな役者さんです。なぜかというと、映画俳優であること。出番が少なくても主演のときも「出たー!」って感じ。歌舞伎でいうと、「よ、デニーロ!」って声をかけたくなるような。演じる役者。自分でないのをやるというのが好き。地のままではなく作ってみせる。『ザ・ファン』を観ていて殺されるかと思った。せつなさがある。人間のつらいところの見え隠れ…そういうところが本当好きですね。
 
── 好きな映画は?
 
小川 『ニューヨーク・ニューヨーク』。デ=ニーロの映画です。あとは黒沢明さんの映画。全部観てます。すごくよくできている、と思う。最近のはいい映画はいっぱいあるけど特に好きというのは…
 
── 好きな本は?
 
小川 筒井康隆が好きです。昔のドタバタも何でも。七瀬三部作、僕はそう呼んでるんですけど、『家族八景』『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』なんかいいですね。映像化不可能だと思います。筒井さんはもと役者だから台詞が生きている。天才と呼べる一人です。尊敬する人、NO.1。役者としての僕は筒井さんの人生設計からきている。
 
── 好きな食べ物は?
 
小川 すし、焼肉。すしは週に一回は食べてます。あじ、いわし、光りものが好きです。さんまの刺し身とかいいですねー。
 
── お料理なんてしますか?
 
小川 はっきり言ってうまいです(笑)。中華、イタリアン、フレンチでバイトしたことがあるので、レシピ見なくても作れたりします。
 
── では、共演者の方についてですが、暁役の萩野さんについては?
 
小川 刺激になってます。タイプ的には実は似ているかも。芝居は違うけど。彼は天然素材。僕は作ってやる人。尊敬してます。将来的には役を取り合ったりする、キャラクターとしては似ているタイプと思う。こわい存在です。
 
── エリ役の東風平さんは?
 
小川 よくわからない人。ほとんど話さないです。東風平千香という人がよくわからない。でもあまり理解しない方がいいかな、と途中で思ったんです。エリとは人間と、ダークザイド。そういう意味でわからなくていいのかもしれない、と。
 
── これからは? 目指したい役者像とか、ありますか?
 
小川 僕は役者は神だと思う。人間を作っちゃう。台本やセリフがあっても誰かがいなきゃ生きない。僕はすごく難しく考える人なので…、ことによっては何百回も台本を読まないとつかめない。役者として自信がないので、とにかく芝居で見せていくタイプでいくと思います。
いい役よりは、いい作品をやりたい。映画をやりたいですね。監督もやってみたいと思います。
 
── 第38話『皇帝の握ったもの』の黒岩の最期について、あの最後に浮かべた笑みがとても印象に残っていますが…。
 
小川 黒岩という人間はアウトローですが、何かがあってこうなったんだと思う。すごくいじめられたとか、不幸なめにあった。人よりよく勉強したり、かっこよく見せようとするのはそんな現れ。
セリフのないところの芝居が大事と思ってるんですが、カットされてしまうことが多い。それが残念だった。30分で、台本がもりだくさん、すべては描けないという苦しみがありました。
 
── 黒岩省吾という役を演じてみていかがだったでしょうか?
 
小川 きつかった。それにつきます。
 
── 疲れたということですか?
 
小川 いや…とにかくきつかったですね。僕はすごくむつかしく考える人なので…。どうにでもできたと思います。
 
── 本当に長い間ありがとうございました。これからもがんばって下さい。

1996年11月22日(第38話『皇帝の握ったもの』アフレコ日)
東映東京撮影所内アフレコルームにて

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