一方、アギトと似た変身能力に目覚めた青年・葦原涼。
将来有望な水泳選手だったが、交通事故に遭い、あわや選手生命を絶たれそうになった涼。絶望の底から立ち上がった彼は、血のにじむようなリハビリを経て、奇跡の再起に挑戦しようとしていた。
だが、再起を期した試合中に“ギルス”への変身能力に目覚めたことで、涼は肉体に変調をきたしてしまう。
ひとり苦悩する涼は、身近な人たちに救いを求める。だが、彼が異形の姿に変身するのを目の当たりにした人たちは、つぎつぎと涼から離れていく。信頼していたコーチも、元恋人・真由美も……。
変身能力を得ても、アギトのように「アンノウンを倒したい」という強い衝動も動機も、彼にはない。だが、他人に拒まれても拒まれても、どこかで人との触れあいを求めつづける涼は、身近な人を守りたい一心で、ギルスに変身して戦う。
そのたびに、強烈な後遺症が肉体をむしばみ、自分の生命を削り取っていくと分かっていても。
そんな矢先、涼の父親が死んだとの連絡があった。涼の父は、瀬戸内海を航行するフェリーボート“あかつき号”に乗り合わせて遭難してから、人が変わったようになり、放浪生活を送ったあげくに衰弱死したという。
いったい、“あかつき号”で父に何があったのか。事故の生存者を訪ね歩く涼だったが、事件関係者の口は重い。
あかつき号乗客の一人、榊亜紀にめぐり逢った涼は、強い共感を覚える。
残り少ない人生を、亜紀といっしょに生きよう。涼が一瞬の希望を抱いた刹那、捜査一課刑事・北條透の指揮するアギト捕獲作戦のあおりを食い、涼=ギルスは機動隊の一斉射撃を受けてしまう。
涼が死んだと思い込んだ亜紀は、機動隊員らアギト捕獲作戦のメンバーに復讐を始めるが、涼と亜紀が再会し、それが誤解と分かる。その刹那、亜紀はアンノウンに殺されてしまう。
それをアギトのしわざと誤解した涼は、残りの人生のすべてを賭けて、アギトへの復讐を誓うのだった。