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[照明部・前編]
俺たちの現場は、ラブ&ピースじゃない。
ファイト&バトルだ!


by 照明部・大寶氏

弘法筆を…選ぶ

ライトと並んで、照明部の強力な武器がレフ板
reflection board の略──といえば聞こえがいいですが、ベニヤ板に銀紙を張っただけの、超お手軽アイテム。
……と、あなどることなかれ。レフ板ひとつで、大陽すら作り出すのが照明部。
簡素だからこそ、レフ板こそは照明部の魂の道具。

彼らの魂を映すかのように、アギトチームのレフ板には、アギトの紋章がくっきりと!
おお、これは聖痕の奇跡?!
ギルスマークバージョンもあるでよ。

照明部・佐々木氏手づくりのレフ板。いかにレフ板1枚1枚を大事にしているか……のあらわれ。

グリーンバックのバックには

合成カットの「ヌケ」をよくして、クォリティを高めるためには、
  1. グリーンバック/ブルーバックの色をムラなく均一に。
  2. かつ、被写体にバックの色が回り込まないように。
  3. かつ、被写体の照明はリアルに。
の3条件をクリアする必要があります。
被写体とバックとの距離が充分に稼げれば、さほど問題はないのです。ただし、広大な撮影現場と、巨大なバックが必須。
そんな理想的な環境なんて、めったにありません。

そうした中で、『アギト』の合成カットのクォリティを上げているのは、照明部の苦心のたまもの。
どんなに合成がうまくいっても、そこに「照明部の腕」まで見抜ける人は、まずいません。まさに、縁の下の力持ちならぬ、“緑の下の力持ち”度100%。

第26話、「屋上から落下する雪菜」の合成カット。
雪菜の髪がはためくのが、このカットのキモ。髪の毛にいたるまで「ヌケ」が維持され & 笠間あゆみさんがキレイに写っているのは、まさに照明部の技。

滑空するスライダーモードの合成素材。第14話。
グリーンの幕を、ピンと張っているのは照明マン。さすがに、幕を張ることまでは照明部の仕事でも何でもないのですが、「グリーンバックを、ムラなく均一に!」という思いから、思わず走ったもの。

「およそ“光”に関することは、すべて俺たちの責任だ!」という照明部のプロ意識が、感じられる一幕。

照明部は熱い、照明は暑い!

劇場版「PROJECT G4」は、照明部の活躍の宝庫。 なかでもG4基地のシーンは、田崎監督以下演出部、大嶋氏以下美術部、そして大寶氏以下照明部のコラボレーションの結実。

大嶋氏によるセットデザインには、照明のセッティングも折り込み済み。
G4と真魚をリンクさせる ESP システムの天井には、ライトが3本。システムのステータスによって、ライトの点き方が変わるという趣向。
システムのフル稼働時には、そのパワーを表現しつつ、真魚ちゃんをキレイに写すべく、照明部もフル稼働。四方八方からライトを当て、さらに足元にまでレフ板を忍ばせる照明部・明田(あけた)氏。
そんな甲斐あっての映像ですが、ひとつ些細な問題は、真魚ちゃんが地獄のように暑いこと。(^^;

真魚ちゃん五重苦

  1. 四方八方からライト浴びせかけの刑。
  2. 足元のプロジェクターは熱いぞの刑。
  3. 衣裳はウェットスーツの刑。
  4. さらにビニールで覆っちゃうぞの刑。
  5. スタジオの天井部分にセットを組み、熱い空気を溜めるぞの刑。
いったい秋山莉奈さんが何をした……? と疑いたくなるほどの徹底ぶり。これはもう、まぎれもなく拷問です。
もちろん田崎監督の号令一下、照明部ばかりでなく、美術部も衣裳部も、全スタッフこぞっての共同正犯。ここにも美しいコラボレーションが。(^^;

『アギト』の照明部の編成は、やや変則的なので、最後にご紹介しておきます。

前作『クウガ』から引きつづき、照明を担当しているのは、KYORITZ(共立)の精鋭チーム。
LD(ライティングディレクター)は、おもに佐藤隆氏がつとめていますが、第5話から劇場版「PROJECT G4」でも活躍した大寶学氏が、第20話から『クウガ』でも活躍した斗澤秀氏が参画し、交替でLDを手がけています。一流のLDである彼らが、明田光男氏や佐々木康雄氏以下サポートスタッフと一丸となってのドリームチーム。
LDとして互いにしのぎを削りあい、チームとして互いに支えあう彼らのチームワークが、つねに新鮮で力強い照明をつくり出しています。

そんなスタッフが集まってくれたことは、『アギト』の誇りです。

ともすると、ハイビジョンとか特殊カメラとか、ハードウェアばかりが注目されがち(私たちもそれを宣伝しがち)ですが、“美しい映像”にいちばん寄与しているのは、本当はハードウェアでもなんでもなく、彼ら照明部なのです。

さて次回は、満を持して「演出部」かな?

[照明部・前編]
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